抗酸化をうたう会社が商品をアピールするときに「鉄釘の酸化実験」の写真を使用しているところが多々ありますが、実際のところ「本当に錆びないのか?」を18検体を用意して実験をしてみましょう。
この実験により、「釘がなぜ錆びるのか?錆びないようにするにはどうしたら良いのか?」がわかり、人体との関係性もわかるかと思います。
海水(塩分濃度3%〜4%)は錆びやすいというイメージがあると思います。
しかし、塩分濃度が濃くなると、逆に錆びづらくなるそうです。
したがって、食塩と砂糖の溶解濃度の違いによって酸化に差が生じるのかを実験してみます。
また、身体に良いとされる重曹(アルカリ性)とクエン酸(酸性)でも、溶解濃度によって違いが生じるのかを実験してみます。
その他、電解(水素)水、素粒水などの抗酸化をうたう水、機能性ゼオライト(焼成カルシウム)を水溶液での実験も行いました。
全部で、次のように18検体になります。
18検体の条件
- 水道水(200cc)
- 電解水(200cc)
- 素粒水(浄水フィルター)(200cc)
- 1%砂糖水(水道水200cc+砂糖2g)
- 1%食塩水(水道水200cc+食塩2g)
- 1%重曹水(水道水200cc+重曹2g)
- 1%クエン酸水(水道水200cc+クエン酸2g)
- 1%GS水(水道水200cc+Gセラミクス2g)
- 1%KONDRI+水(水道水200cc+KONDRI+2g)
- 1%KDパウダー水(水道水200cc+KONDRI+2g)
- 1%プレミアム水(水道水200cc+プレミアム2g)
- 1%セレブ水(水道水200cc+プレミアム2g)
- 10%重曹水(水道水200cc+重曹22g)
- 10%クエン酸水(水道水200cc+クエン酸22g)
- 20%砂糖水(水道水200cc+砂糖50g)
- 20%食塩水(水道水200cc+食塩50g)
- 20%重曹水(水道水200cc+重曹50g)
- 20%クエン酸水(水道水200cc+クエン酸50g)
赤錆の発生メカニズム
鉄の酸化反応
鉄(Fe)は、酸素(O2)と反応して酸化されます。この反応は通常、以下のように表されます。
この反応により、鉄中の鉄原子が酸素と結合して酸化鉄(Fe2O3)を形成します。
この段階でまだ赤錆は形成されていませんが、鉄の表面に酸化鉄が形成されています。
つまり、水中に溶存する酸素濃度が小さければ酸化鉄が発生しづらいということになります。
酸化鉄の水への溶解
形成された酸化鉄は、水中に存在する水分子(H2O)と反応して酸化鉄イオン(Fe3+)を生成します。この反応は次のように表されます。
ここで、酸化鉄イオンは水分子と結合して水酸化鉄(Fe(OH)3)を形成します。
この水酸化鉄は赤褐色を持ち、赤錆として知られています。
実験開始直後
1%KONDRI+水は、緑茶粉末とアスタキサンチンの影響があり、水溶液が赤みがかっています。また、Gセラミクス(焼成カルシウム)が水に溶解しないため、下に沈殿が見られます。
1%KONDR+パウダー水は、KONDRI+水より緑茶粉末が多いため、緑色がより強く出ています。また、Gセラミクス(焼成カルシウム)が水に溶解しないため、下に沈殿が見られます。
1%Gセラミクス水は、Gセラミクス(焼成カルシウム)が水に溶解しないため、下に沈殿が見られます。水溶液はほんの少し白濁が見られます。
1%セレブ水と1%プレミアム水は、機能性ゼオライト(焼成カルシウム)が水に溶解しないため、下に沈殿が見られます。また、水面にも白色のものが浮かんでいます。これは賦形剤であるデンプンだと考えれます。量的には焼成カルシウムと同量程度あるよううに見えます。水溶液は少し白濁しています。
重曹水は、重曹が水に溶解しないため、下に沈殿が見られますが、水溶液は無色透明です。
他は全て水に溶解し、無色透明の状態です。
実験開始1日目
1〜5の水道水、電解水、素粒水、1%砂糖水、1%食塩水が、最も早く鉄釘の酸化が認められました。水溶液中への溶解が認められるので水酸化鉄(Fe(OH)3)まで進行が進んでいると考えられます。

6〜7の1%重曹水、1%クエン酸水は同じ1%水溶液でありながら、鉄釘の酸化がまだ始まっていません。それどころか、クエン酸水は鉄釘に大きな気泡が吸着し始めました。重曹水の方に変化はあまり見られません。
8の1%Gセラミクス水は、白濁が収まり鉄釘の酸化は見られません。
9の1%KONDRI水は、薄くはなりましたが依然として水溶液が赤みがかっており、鉄釘の酸化が確認できません。
10の1%KONDRIパウダーは、緑色だったものが、9の1%KONDRI水と同じような赤褐色に変化してきました。鉄釘の酸化は確認できません。
11〜12の1%プレミアム水と1%セレブ水は、8の1%Gセラミクス水と同様に、変化はあまり見られず鉄釘の酸化もありません。
13〜14の10%重曹水と10%クエン酸水は、1%水溶液よりも気泡の発生が多くなり、重曹水にも気泡が発生しています。クエン酸水の方は大きな気泡の他に、小さな気泡がたくさん発生し揮発し、少し黄色がかっています。
15〜16の20%砂糖水、20%食塩水は、鉄釘に酸化は見られません。
17〜18の20%重曹水と20%クエン酸水は、10%水溶液と同様に、1%水溶液よりも気泡の発生が多くなり、重曹水にも気泡が発生しています。クエン酸水の方は大きな気泡の他に、小さな気泡がたくさん発生し揮発し、少し黄色がかっています。
実験開始2日目
1〜5の水道水、電解水、素粒水、1%砂糖水、1%食塩水は、相変わらず水酸化鉄(Fe(OH)3)への変化が進んでいると考えられます。
6の1%重曹は鉄釘表面に酸化鉄(Fe2O3)の発生が認められ始めました。1%クエン酸水は木々全体が黒ずんできたように見えます。つまり、別の酸化反応をしているようです。
8の1%Gセラミクス水は、鉄釘の酸化は見られません。
9の1%KONDRI水は、依然として水溶液が赤みがかっており、鉄釘の酸化が確認できません。
10の1%KONDRIパウダーは、9の1%KONDRI水と同じように水溶液が赤みがかっており、鉄釘の酸化が確認できません。
11〜12の1%プレミアム水と1%セレブ水は、8の1%Gセラミクス水と同様に、変化はあまり見られず鉄釘の酸化もありません。
13〜14の10%重曹水と10%クエン酸水は、気泡の発生はほぼ止まりました。14の10%クエン酸水のビン底には黒い物質が沈殿し始めました。一般的に黒サビ(Fe3O4)である可能性があります。
15〜16の20%砂糖水、20%食塩水は、ほんの少し水酸化鉄(Fe(OH)3)への変化が認められます。
17〜18の20%重曹水と20%クエン酸水は、10%水溶液と同様に気泡の発生はほぼ止まりました。18の20%クエン酸水のビン底には、14の10%クエン酸よりもさらに多い黒い物質が沈殿し始めました。